「トンデモ科学」とは


自分は色々な本やインターネットのサイトを見て回りましたが、トンデモ科学を主張する人は 「現代科学はデタラメである!それは〜〜〜だからだ!」 と言い、逆にトンデモ科学が間違っていると主張する人は 「トンデモ科学はデタラメである!それは〜〜〜だからだ!」 と、お互い食い違った意見を述べているように思えます。それに対して一方が非難すると、もう一方は「その考え方は間違っている」だの「実験の考察がおかしい」だの「参考文献や参考サイトが当てにならない」と反論して、両者一歩も引かない状況になっているように思えます。

科学的教養がある人から見ると、どちらの言い分が正しいかは分かるんでしょうけれど、こんな状況では、何も知らない人が見たって「お互いに相手が間違っていると言ってるけど、これじゃ一体どちらが正しいかなんて判断できない、だから(自分の感覚で)正しいと思ったほうを正しいとしよう」 と結論してしまうのも無理はありません。

よって、自分はまず「トンデモ科学」、そしてそれを主張する人の特徴についてあげていこうと思います。そうすることによって「一体どちらがトンデモ科学であるのか」というある程度の判断基準ができると思うからです。

そもそも科学における「理論」とは、少なくとも

・その理論内で自己矛盾がない。
・自然現象をある程度高い精度で説明できる。


という特徴を持っていないといけません。科学ではこれらの特徴を持っている理論を「正しい」としています。これは科学での「決まりごと」です。

こう書くと、
「理論が正しいということは、上記の決まりごとだけで本当にいえるのか?  決まりごとを守っている理論の中にも、間違ってる理論は無いのか?」
と思う人もいるかと思います。

どのようなことを「正しい」「間違っている」というかによって解釈が変わりますが、「大体あってる」「致命的な誤りは無い」という意味なら上記の決まりごとで十分です。なぜなら、理論が正しいということを証明する方法は、 「自然現象をある程度高い精度で説明できる。」 ということを言うほかには無いからです。理論とは、「自然現象を説明する」ために作られたものなのですから。

また、理論を「完全に正しい」「少し間違いは無い」と言い切ることは不可能です。なぜなら、「理論が完全に正しい」と言い切るためには「その理論で対応できる範囲では理論に間違いはない」こと、極端に言うと、理論が「遠くの星の上」でも「宇宙の果て」でも実験的に成り立つことを示さないといけないからです。そんなことは無理ですよね。
現在の「正しい」という科学理論は、「疑われ続けてきたけれど、間違っているという十分な証拠が発見できなかったので、とりあえずこれを正しい理論と信じよう」という科学理論ということを頭に入れておいてください。


トンデモ科学とは、「これらの特徴を踏まえていない理論を提唱する科学」のことです。要するに「科学の決まりごとを守っていないのに、正しいと主張する」科学です。
(必ずしも「間違った科学」という意味ではないです。)
トンデモ科学にはいくつかの共通点があります。

・理論のみで、それが「自然現象を説明できる」という証拠(実験データ)を提出しない。 ・理論に矛盾が指摘され、それを説明できないまま放置する。(矛盾を指摘されても、ちゃんと説明できて納得させられたら大丈夫です。)
・自分の常識で論理を展開している。(「時間が遅れるなんて普通じゃないからありえない」的な論理)


これらに当てはまる理論は、怪しい可能性があります。

トンデモ科学を主張する人は、これらの欠点を突かれないように色々と言葉巧みにはぐらかしてきます。トンデモ科学を主張する人の主張は下記の傾向があることが分かります。

・「世界中の学者が嘘をついている」「政府の陰謀である」的なことを主張する。
 これを主張する人の科学理論はほぼ確実に「トンデモ科学」です。トンデモ科学を主張する人は「自分の理論が受け入れられなかった」ことが「世界中の学者が嘘をついている」「政府の陰謀である」と主張する根拠になってます。これではただの妄想です。
・有名な人の名前をしょっちゅう出そうとする。
 「理論の正しさ」と「理論を提唱した人の業績等」は何の関係もありません。業績のある人の主張が間違っていた例なんて過去に多々あります。
・やたらと既存の理論の矛盾を突いてきたり、間違いを指摘しようとする。
 自分の欠点を突かれないように「お前にも間違いがあるぞ!」といってはぐらかそうとしているとこうなります。ちなみに、その指摘もいろいろ間違いだらけなのがほとんどです。
・データの提出や、矛盾点の説明を求められても無視する。
 出来ないことは「聞かなかったことにしよう」としてしまう「子供の考え」ですね。
・自分の中の常識でものを考え、常識と違うものは理論的に説明されても根拠無しに否定する。
 「自分の常識で理解できないことは間違ってる!」って、よく考えると凄い事言ってますよね・・・
・実験結果や他の理論、科学史を自分の都合のいいように曲解し、自分の正当性を主張する。
 ひどい人では、調べればすぐに分かる歴史的事実を「嘘だ!」と否定して、自分に都合のいい歴史を主張する人や、実験データがあるのに「そんなものは無い」と言いだす人すらいます。どうしたらそんな勘違いが出来るのか不思議でなりません。わざとでしょうかね。

まぁ、ほかにも多々ありますが、どれも客観的に見ると変なことばかりやってます。
これらの特徴が複数当てはまったら、その人の主張する理論を一度疑ってみたほうがいいでしょう。


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